「 ヒロシマ・ナガサキへのボレロ」
「 ヒロシマ・ナガサキへのボレロ」
原曲 モーリス・ラヴェル
作詞 ・編曲・構成 園田鉄美
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楽譜 (PDF形式)
(女ソロ)
ああ 私は歩いていく 灼けつく陽射し ヒロシマにつづく この道を今進み 旗を掲げ
ああ 八月の空は 青く輝き 未来を見つめる 私の願いは 一つ
道行く人に呼びかけて 平和のため 進むよ
(男ソロ)
ああ 私は歩いていく 灼けつく陽射し ナガサキにつづく この道を今進み 旗を掲げ
ああ 今世界じゅうに 広く呼びかけ 未来を見つめる 私の願いは 一つ
うたごえ高くひびかせて 平和のため 進むよ
(第2主題:器楽をバックに朗読)
(青年:男声合唱)
ああ 僕らは歩いていく 灼けつく陽射し ヒロシマに続くこの道を今進み 旗を掲げ
ああ 生きていく勇気 伝えつづけて 未来を見つめる 僕らの願いは 一つ
道行く人に呼びかけて 平和のため 進むよ
(母親:女声合唱)
ああ 私は歩いていく 灼けつく陽射し ナガサキに続く この道を今進み 旗を掲げ
ああ こどもらのいのち 守り育み 未来を見つめる 私の願いは 一つ
道行く人に呼びかけて 平和のため 進むよ
(混声合唱)
今 歌え この歌を
(全員:混声合唱)
ああ 我らは歩いていく 灼けつく陽射し 世界につながるこの道を今進み 旗を掲げ
ああ 八月の空は 青く輝き 未来を見つめる 我らの願いは 一つ
道行く人に呼びかけて 平和のため 進むよ
ああ 我らは歩いていく灼け付く陽射し 世界につながるこの道を今進み 旗を掲げ
ああ 今世界じゅうに 広く呼びかけ 未来を見つめる 我らの願いは 一つ
道行く人に呼びかけて 平和のため 進むよ
今歌え この歌を 核なくし 平和届け ああ―――
この歌(初演)は、 2005年8月7日、原水爆禁止世界大会長崎の広場において、集会の冒頭に九州のうたごえ合同合唱による演奏として歌われたものです。(録音はそのライブ版)
原水爆禁止運動の原点は、1945年8月6日と8月9日に被爆者が爆心を逃れ、各地にその実相を伝えたことであり、国民平和大行進は、その逆コースをたどるものではないかとの発想から、核兵器廃絶の願いを込めて全国通津浦々からヒロシマ・ナガサキに向けて歩き実施される、国民平和大行進をラヴェルの「ボレロ」に託し、入場行進したらいいなという構想は20年くらい前から持っていた。
昨年、平原綾香がホルストの組曲「惑星」の中の「ジュピター」に詞を付け大ヒットしたことで、これだと思い、1年位前から歌詞付けの構想づくりに取り組んでいたが、今年に入り8月7日の原水禁世界大会でのうたごえの演奏の場が確保されたことから、詞と編曲を完成させ、上演に結びつけることができた。
当日の反応は、海外からの大会参加者(今年はフランスからの参加が多かったこともあったのか)の方々が真っ先に拍手をしてくれた。「ボレロ」の原曲が持つ印象派の民族的、色彩感とリズム感、壮大に広がっていく音楽構成が、様々な国々に広がった原水禁運動の歴史的な流れと平和行進のイメージを言葉の壁を越えて理解していただけたのではないかと思っている。音楽は世界の共通語であることを改めて感じた。