「 人にはゆとりとやさしさを」

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   「人にはゆとりとやさしさを」 (加用労災認定支援の歌)

作詞  松下 進                 楽譜を見る

作曲 園田 鉄美               

1.Day by day 人が宇宙へ Day by day 飛び立つ時代に

あなたの頭脳とやさしさが 今こそ試されるはずでした

花には水と太陽を 人にはゆとりと優しさをください

Day by day 今日より明日へ

Day by day We are getting better and better

2.人がある日倒れて いのち削られないよう

その根を絶とう職場から 闘う仲間と心つないで

花には水と太陽を 人にはゆとりと優しさをください

Day by day 今日より明日へ

Day by day We are getting better and better

     加用さんは、三菱造船所の研究室の管理職であったが、1994年に年間数千時間に及ぶ長時間労働による過労のため心筋梗塞になり、それが原因で脳に影響が出て、知能が幼児レベル位になってしまったのであるが、奥さんの豊子さんが労災認定を申請したものの、たまたま倒れたのが、休日のテニス中であったとの理由から労基署が却下。これを不服として訴訟に至ったのである。

    芳夫さんは東大出のいわゆるエリート研究者であっただけでなく、倒れる前は素敵なエッセー集を出すほどの文才のある、家族思いのとても優しい人であったようだ。それが、過労の末に残された家族は、いわばどん底に突き落とされる。だが、豊子さんは家族に言わせれば、世間知らずの、だが根っからの明るい、涙もろいが芯のある人だったのだろう。近所の人たちや、いわゆる労働組合支援だけでない、たくさんの人たちを巻き込んで、10年かけ訴訟に勝利したのである。詳細は加用さんのHPを。

    これを見れば、彼女の活動がいかにユニークで素敵なものであったかわかる。訴訟勝利の報告会では、100数十名の参加者のうち、半分位が女性であった。会の中では、弁護団の弁護士や医師、支援の労組の方々、会報を発行した豊子さんの友人の方々など、たくさんの人たちがそれぞれにお祝いと、思いを述べられたが、いずれも加用さんご夫妻の生き方に励まされたことを口々に語られ、とても感動的な会であった。 また、ある方が話されたが、加用さんの勝利後、三菱造船所では管理職の時間外勤務が記帳されるようになったとのことだった。これは何よりの社会的成果ではなかろうか。